幼児の造形教育について

想像力や表現力、情緒的な心の発達を伸ばすために、幼児期の絵画は優れた働きがあるといわれています。ここで言われる、幼児期の絵画とは、一般的な芸術や、大人の絵画とは全く意味合いが異なります。大人の尺度で、上手に描かせるという事ではありません。

幼児期の絵画には発達段階に応じて、いくつかの特徴がみられます。子供によって描き方もさまざまでタイプがあります。その日の気分や心の状態によって使う色も、描き方も異なります。絵は心の排泄といわれますが、気持ちの発散の表れでもあるのです。

ですから発達段階を飛び越して、描き方を強いる事は好ましくありません。子供のパーソナリティや発達の段階に応じて、好ましい言葉かけや指導を行うことで、はじめて子供が本来持っている形成力を発揮できるようになるのです。

子供の心により添い、励まし、出来上がった作品を認めてあげる。一生懸命に描いた絵を認めることは、子供の心を抱きしめてあげることでもあるのです。作品を通して、仲間同士でコミュニケーションをとり、そこで感じるものを受け入れ、異なる相手を互いに認めあう。

こうしたプロセスは、子供が自らの力で創造しようとする意欲や、思考力、集中力、表現力、コミュニケーション能力を自然と培い、大きな自信へ繋がります。ですから幼児期の絵画指導は、知育と並ぶ徳育としてもおおいに役立つのです。

近年子供の美術教室が大変人気があるという理由
それは一体なぜなのでしょうか…? その理由の背景には、子供の情操面での成長が関係するようです。

例えば、同じ先生に長期間に渡って子供を指導をしてもらえるから。子供にとって、安心できて居心地の良い居場所が学校や家庭以外に求めているから。ライバルではなく、本当に気の合う友だちを見つけたいからなど…。この時代の中で、心の基地を求めるニーズもあるようです。

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